林檎電脳に手を出した話

大嫌いなんですよ。林檎電脳。
ヤツら一切リスクを取りませんからね。言葉巧みに近寄って知的所有権を奪うなど序の口で、納期だの品質だの数量だの難癖つけては法外な違約金をとるのがあいつらの本業、コア・コンピタンスですから。俺からしたら林檎電脳は「ナニワ金融道」のパンチパーマ当てた部長みたいな感じですわ。製造業の風上にもおけねえ。てか、ヤツら商社ですよ商社。

じゃあ何でそんなもんに手を出したんだって話ですけどね。「ソニーだけは許さん」って話です。ことスマホに関しては。

糊付けの液晶パネルが2年で剥がれて即壊れるソニースマホは超高額消耗品の類だと思います。私の金銭感覚では「何だか嫌だなあ」と思いつつも、前回まで3台連続でソニーを使っていた訳なんですが‥故障で機種変してもスマホの操作感が保持されていればまだ許せるものを、またぞろ「お馴染みのソニー仕草」に遭遇してぽっきり心が折れました。

スマホ事業が落ち目になるやPOBoxは止めるわ、Media Goは止めるわ買い換えてびっくりですよ。こいつら本当に気は確かなのかと思いました。ヤツら上ばっかり見て、矜持ってものを捨てたんでしょう。儲け出さなきゃ辞表持って来いゴラァとか言われてね。お気の毒さまです。

ニコンの写真機材を一式叩き売ってソニーに乗り換えた自分としては「こんな会社の写真機材を買っても大丈夫か?」と思ったりもします。ですがソニーにデジカメで操作感の変更だのソフトのサポート停止だのやられたら、また一式叩き売ってどこかに乗り換えすればいいだけの話です。画像処理ソフトのEditでさえ、あいつらはサラッと「もうやめます」とか言い出しかねないです。まあ、一度地獄を見た会社はそんなもんかとも思いますが、何だかんだ負の部分に光を当てると「クソニー」だなとは思います。

ここで余談ですが。私は就職先としてのパナソニックは一切推奨しません。社員をクビにして派遣社員として再入場させるクソ会社ですから学生の皆さんは気をつけましょうね。それでもパナソニックが凄いなと思うのは一度策定したUIを一切変更しないところです。HDDを搭載していないDVDレコーダーの時代から、ディーガの操作感は一切変えていません。変わったのは番組名変更処理におけるDelete操作がBackspaceに変わったくらいです。去年一台ブルーレイディスクレコーダーを買い増ししましたが、取説も読んでいません。メーカーに対する信頼っていうのはつまるところ、どれだけ操作感を変えないかで量ることが出来ると思います。

という訳で。
EIZOのモニターで現像をいくら頑張ろうとも、スマホアプリで見る画像データがおかしな色調で再現されると思いっきり萎える訳です。買って一年も使っていないソニーの安物スマホですが「やられちゃったなー」って事で、先週、機種変して棄てました。

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SHARPIGZOを取るか、林檎電話十三号機にするかで悩んだその挙句、清水の舞台から飛び降りる覚悟で林檎にしたんですが、嬉しい誤算は人生初の「イ式基本入出力システム」に思っていた程の違和感はなく一週間で慣れたことでした。ファイルの転送は全て「イ式音楽プレーヤー」を介在させるという思想には驚きましたが、これも慣れればどうということはありませんでした。
ただ、どういう訳なのかAndroidベースのアプリのほうが使い勝手はいい気がします。スマホではポインティングデバイスを使いませんから指先の微妙な操作が全てですが、感覚が合わないんです。それから、日本語入力システムは戻るキーのあるものに入替しました。どうしてオリジナルの日本語入力システムには戻るキーが無いんですかね?謎です。

お間抜けな話をひとつ。店頭で色はどうしましょうと言われたので選んで赤にしました。最近のマツダの塗装色のような綺麗な赤ですね。気に入ってはいるのですがスマホケースに入れると何色なんだかさっぱり判りません。何色を選ぼうとも関係なかったです。トホホホ。

☆ ☆ ☆

さて。大元の問題はPCとスマホの色味が合わない事でしたが、結論から先に言うと無事解決できました。良かったです。

まずPC側。EIZOのCS2740は本当に素晴らしいです。
パネルは「IPS液晶」と明確に表記されていますが、IPSは商標ですのでこれを名乗ることができるベンダーはジャパンディスプレイ(JDI)かLGのいずれかという事になります。IPSの開発企業は・・なんで私にはそれなりに思い入れがあり、ベンダーはJDIでもLGでもどっちでもOKです。ビバIPS液晶。ノングレア処理のパネルは本当に素晴らしく、これ以上の買い物はちょっと思いつきません。

一方の林檎電脳。パネルはSamsungかLG、中国のBOE有機ELパネルは一見派手ですね。それにしてもパネルのテカテカ感は何とかならんかと。不満はそこだけです。

CS2740はsRGB、120cd、D65で運用していますが、この環境で現像した画像ファイルを林檎電脳のスマホに転送した結果は概ね良好で、ほぼ色味は合っています(添付参照)。その意味で「PCのモニターとスマホを買い替えしてでも色味を合わせる」という荒唐無稽な計画は上手く行った訳ですから、買い物としてはまあまあだったと言えますね。
とは言うものの。3年も持たないスマホに12万も払うのは気が狂っているんじゃねえかという気はします。

一旦林檎電脳に足を突っ込んだが最後、元のAndroidには戻れないんでしょうね。この先、破格の高値で機種変更を繰り返さないといけないというのは鬱陶しいの一言です。
それでも、撮影した写真をSNS上に展開するのなら仕方ないですかね。PCモニターに関しては何の不満もありませんが、林檎印のスマホで画像を見て、色味が正しいのなら仕方ない、こちらもいい買い物だったという事にしておきます。

EIZO CS2740を激推しする話

何に釣られたのか知りませんがようこそ!
もしあなたがEIZO CS2740の導入をお考えでしたら、迷うことはありません。すぐにECサイトに行って一台ポチりましょう。
責任は持ちませんよ。持ちませんが、これ以上の選択があるんですか?あったら教えて欲しいくらいです。世の中にはレタッチャーという職業があるそうですが、写真屋またはその周辺の職業人としてメシは食えずとも、撮影した大切な時間、大切なひと、大切な場所を美しく残したいというのは人間の本能だと思います。その為の近道は高い金を払ってカメラなりレンズなりを買い揃えて悦に入ることではなく、いいモニターを選び、適切な現像処理を行うことだと確信します。

私は写真が上手くなりたいとも、まして一流のフォトグラファーになりたいとも思いません。写真とは極私的な趣味ですので、撮影の意図や理由を他人に説明する理由はありません。写真を評価することに如何なる意味があるとも思いません。私は一流のフォトグラファーではなく、一流のレタッチャーになりたいといつも思っています。

最近はどこかのメーカーの廻し者かと思われる偽サイトが本当に多くて嫌になります。あのニコンでさえネット工作隊を使うようになりました。まさしく隔世の感がありますが、自分の使っている写真機材を不自然に持ち上げる輩、他人の使っている写真機材を必要以上に貶める輩に聞いてみるといいと思うことがあります。

「ところで貴方。モニターとプリンターは何をお使いですか」

私はプリンターはエプソンのPX3Vを使っています。理由は簡単で、写真をA2サイズでプリントしたいからです。そこから逆算してカメラはα7RⅣを買った訳なのですが、これがまた激しくレンズを選ぶ訳です。そうやってズブズブと沼に嵌っていく訳ですが、自称写真愛好家でさえA2プリンタを使ってる奴なんか千人にひとり、A3プリンタを使ってる奴もおそらく百人にひとりくらいじゃないですか。

そこから更に、印刷原稿としての現像を適切に行いたい、ソーシャルメディアへの投稿をしたいと思いを巡らせると「ハードウェアキャリブレーションの取れるモニターを買わないとどうしようもない」という仮説を立てざるを得ない訳です。だけどこんなの二千人にひとりくらいだと思いますよ?
という事は。わざわざこんなところに来たあなたもその二千人にひとりの物好き・・いえ、好事家ですね。私はデジタルカメラが吐き出したRAW画像をメーカーの専用ソフトでサルベージ出来なければユーザーの責任ではないと思います。ニコンZ6の吐き出した画像は遂にサルベージは叶いませんでした。八方手を尽くしてもダメでした。CS2740でモニターして現像してもダメでした。

そうやって私はニコンからソニーに乗り換えた訳ですが、どのメーカーの写真機材を使うにせよ、その前にまずはモニターです。「EIZOカラーマネジメントモニター使って、全力で現像を頑張ってもやっぱりダメでした。だから写真機材のメーカーを変えました」これ以上の言い訳はこの地球上に存在しないと思いますが如何でしょうか。

さて。ここからが本題です。

1.モニター選択の過程について
・モニターは10万出せるならNEC、20万出せるならEIZOとか言いますね。今ならBenQも選択肢に入るでしょうが、とにかくハードウェアキャリブレーションの取れる機器を選択することをお勧めします。
・私は4Kモニターが欲しかった訳ではありません。ハードウェアキャリブレーションが取れる機種という観点で本機とCG2730-Zの2機種に絞り込んで、こちらを選択しました。
・購入に際してはキャリブレーションセンサーEX4を同時購入しています。
・先の記事で正直に告白したとおり、プリンターとのカラーマッチング、SNSへの投稿を考えると色域はsRGBで統一するのがいいと思います。その意味でコストパフォーマンスがいいのはCS2410です。4K解像度も27インチも必要がなければ合わせてご検討ください。

2.PCとの接続について
本機のPC接続方法は3方式です。
(1)DisplayPort
(2)HDMI
(3)USB Type-C(映像信号出力に対応していること)

・現在使っているパソコンはWindows10の出始めの頃に買ったタワー型PCなのですが、DVI-I/DVI-Dしか実装されていませんでした。このため秋葉原のPC専門店に行って、店員さんと相談して購入したグラフィックボードと換装しました。
・私は本製品添付の映像信号ケーブルでDisplayPortに接続しています。購入に際しては、お手持ちのパソコンとモニターの接続方式について今一度確認することをお勧めします。

3.ディスプレイ解像度とスケーリングについて
解像度は3840×2160、表示スケールは推奨値の150%に設定しています。
但し、使用するRAW現像ソフトによっては解像度を落とす必要があります。この点は要注意です。
(1)ニコンNX Studio
・スケールの設定によってメニューバー/ツールバー/ブラウザーパレットの表示サイズが変わります。
 推奨値の150%でも問題はありません。現像時に操作がし辛いなと思ったら表示スケールを175%に上げると良いでしょう。
・表示スケールを変更した場合でも画像ファイルの表示サイズは変わりません。
・D850(4575万画素)の撮影画像を開き「ウィンドウに合わせて全体表示」をした場合の縮小率は35%程度です。※50%縮小表示で息をのむような再現性です。

(2)ソニーImaging Edge
・スケールの設定によってツールバー/調整パレットの表示サイズが変わります。
 推奨値の150%でも問題はありません。現像時に操作がし辛いなと思ったら表示スケールを175%に上げると良いでしょう。
・表示スケールを変更した場合でも画像ファイルの表示サイズは変わりません。
・α1(5010万画素)の撮影画像を開き「ウィンドウサイズに合わせる」表示を行った場合の縮小率は33%程度です。

(3)市川ラボラトリ SILKYPIX Developer Studio 10
・残念ですが4Kモニターを導入する意味はありません。シルキーでの現像がほとんどという方には現状、本機は推奨しません。
・スケールの設定を変えてもメニューバー等の文字サイズが変わりません。
・このため4K解像度(3840×2160)だと文字の表示が小さすぎて使い物になりません。解像度をWQHD(2560×1440)に落として使うことになります。

4.その他
・ベゼルに何も文字が書かれていません。モニターの使用感は最高です。
・ホワイトバランス調整において、これまでは色温度(シアン:レッド)調整だけで済ませていたものを、色味(マゼンダ:グリーン)の調整まで行うようになりました。
 これまでは色再現性の低いモニターを使って現像処理をやっていた為に、却って色味を壊してしまっていたのでしょう。
・いろんなものを暴いてしまうモニターです。絞り設定値による解像の違い、ノイズの出方。持ち出す機材の選定や撮影のスタイルにまで影響を与えています。
 撮影という行為のあり方に影響を与えてしまうモニターというのは、現時点ではあまり無いと思います。確実に値段以上の価値はあります。

ここまで言ってもまだ言い訳します?それは「買わない言い訳」でなく「買えない言い訳」ですね。その事自体は仕方ないと思います。こんな国に産まれてきてご愁傷様としか言えません。お互いちゃんと選挙に行きましょうね。

EIZO CS2410最強説

私は現在、EIZO CS2740を使ってRAW現像しています。
ご自分の使っているカメラなり、レンズなりをそれこそ「血管が切れるんじゃないか」というくらいの勢いで擁護する方は星の数ほどいらっしゃいます。ですが私の見る限り、自分の使っているモニターについて言及されている方はひとりもいません。
自称プロの方々がレタッチャーを雇える訳もなく、夜な夜なシコシコと現像処理しているのだろうとは思うのですが。まさかその辺で拾ってきたモニターで現像処理する訳でも、ましてカメラ内現像で済ませてしまう訳でもありますまい。

私はニコンのデジカメを使う過程で現像処理の腕前は相当鍛えられたと思っています。あの独特の色再現性を持つシステムから自分の好みの画像を作成するんですよ?(笑)

当然の帰結として、最終的にはハードウェアキャリブレーションの取れるモニターに帰着せざるを得ませんよね。それ以上の議論の余地はなく、私の場合はたまたまEIZOを選択しただけで他意は一切ありません。現在モニターに対する不満も一切ありません。

さて。運用について少し記載しますと解像度は3840×2160、表示スケールは推奨値の150%に設定しています。
ニコンNX StudioもソニーImaging Edgeもスケールの設定によってメニューバー/ツールバー/パレットの表示サイズが変わります。

賢いですね。最近のメーカー純正ソフトは本当に良くできていると思います。

問題は色域の設定ですが。sRGBで運用しています。理由は印刷を行う際のカラーマッチングと、自分のスマホで画像ファイルを見る際の色味の問題です。

はい、そこの勘のいい貴方。仰るとおりです。
だったら「ハードウェアキャリブレーションの取れるsRGBモニタで良くね?」ってことに成るのではありますまいか。

今から考えたら「やっちまった感」満載ですよ。
EIZOのメーカーサイト見たらちゃんとあるじゃないの orz 今使っているCS2740はキャリブレーションセンサー込みで20万しましたからね。

sRGBカバー率100%の24インチモニター&キャリブレーションセンサーのセット商品。お値段税込72,500円、今なら72,500円。♪ジャーパネットージャパネットー
通販番組の怪しいおっちゃんが愛人連れてテレビに出てくる夢を見そうですわ。

私はニコンとは手を切りました。手は切りましたが過去に撮影した画像ファイルとは手が切れる訳もなく、これからも適切に撮影済ファイルを加工することを考えないといけないです。ニコン機が超適当に吐き出した画像ファイルを加工するのには高性能モニターの使用が必須ですから、その意味ではおそらく、次回もCS2740クラスのモニターを買うんだろうなあとは思います。
CS2740は撮影のスタイルにさえ影響を与えてしまう高性能モニターで、D850なりα7RⅣなりで撮影した画像をモニター上で50%表示させたら息をのむ美しさでびっくりしました。更に100%表示で画像の細部を確認すると、レンズの解像や小絞りによる回析ボケの発生も立ちどころに暴きます。

私はCS2740を使うようになってから、シャッタースピード優先モードで絞りは適当、なんていうナメた撮影は一切やらなくなりました。シャッタースピード、絞り、ISOはトレードオフの関係にあって、ここでは何を優先するのか、それが作画にどのような影響を与えるのかということまで、現地で考えるようになりました。その意味において「いい写真を創りたければまずはモニターから」ということは強調しておきます。

とは言うもののですね・・CS2740は誰にでもおいそれと買える値段では無いことも一面の真理です。もし「それだけ言うのなら、これから私もモニター新調して現像頑張ってみようかな」と思う方がいらっしゃるのであれば、EIZOの直販製品であるCS2410・EX4センサーセットを検討することをお勧めします。特にモニターを2台構成で運用する場合、1台はCS2410にするという考え方でいいと思います。自分の場合AdobeRGBの運用は一切していないですし、キャリブレーションセンサーは共用可能な訳ですからね。

最初のカラーマネジメントモニターとしてはCS2410で充分ですし、しかもかなりのお値打ちです。営業政策上、ハードウェアキャリブレーションは高額機種にだけ与えられた特権にしてもおかしくない筈なのに、本体5万円そこそこのモニターでそれが出来るとは思っても見なかったです。

私はそこにEIZOの良心を感じました。素晴らしいと思います。

ニコンD6は絶対に売らないほうがいいですよ?

モノクロと見紛うような絵をひたすら吐き出し続けるニコンZ6に嫌気がさしてソニーに乗り換えた私は、現在SEL2470GMⅡとSEL85F12GM待ちです。つまり現状では中古カメラ店に行っても、特にお目当てがある訳ではありません。それでもカメラ店に行くこと自体は大好きですから、先週末も都内某店を訪れました。

ソニーに関してはどういう訳なのかSEL24105Gの中古在庫が積みあがっていました。賞与も支給されて懐具合の良くなった皆さんがキャッシュバックを利用してSEL2470GMを大量購入されたのでしょうか?はたまた一旦SEL70200GMⅡに切り替えした上で来年出てくるであろうSEL2470GMⅡを買い増ししようとでもいうのでしょうか。謎です。それにしても金はある所にはあるものですね。

ニコンに関してはやはりD一桁の動向が気になります。目を引いたのはD6の中古在庫が3~4台あって、しかも在庫が回転しているように見えたことです。新品との差が20万円程度ありますので中古を求める方も多いのでしょう。
それにしても。今年の6月5日に発売されたばかりのD6なのに、どうして中古が湧いてくるのでしょうか。買ってはみたものの使いこなせなかったのでしょうか。買ってはみたもののスペック不足だと思われたのでしょうか。まあ、そのいずれかなのでしょう。

個人的な所感ですが、ニコンD5とD850の二台構成で写真を撮っていたころが、いちばん機材への信頼度が高かったです。
D5でほとんどのものが撮れました。オートフォーカスは初動が抜群に速く、とにかく食いつきが良かったです。ISO上げ放題で電源投入即撮影可。チャンスを逃した記憶はほとんどありません。予備のバッテリーは所有していましたが、実際に持って出たことは一度もないです。カメラ任せで撮影しても現像に手が掛からず「これで撮れなきゃ腕が悪い」というくらいの信頼感でした。光をきちんと回せる場所ではD850を使っていましたが、機材の重さに音を上げてZ6/Z7Ⅱに入れ替えしたのが運の尽き。やっちまった・・。

そこのあなた。まさかD6売ってZ9に入れ替えしたりしないよね?

絶対に止めたほうがいいですよ。Z9はD6の代わりにはならないと断言します。
ミノルタはまともなミラーボックスを作れなかったから、最後までニコンの立ち位置には到達できなかった訳ですが、それはソニーになっても同じことだからD6に相当するカメラはソニーには絶対に作れないです。

それでは逆にニコンは自社の要素技術でα1に相当するカメラを作れるのかって話ですが。これも絶対に無理です。ニコンはそもそも電子デバイスを作れません。まして映像エンジンたるや目を覆うような代物な訳です。当のニコンのエンジニアがいちばん判っていることだと思いますが、レフ機とミラーレスでは求められている機能がほんの少しだけ違う訳ですから、ニコンは己の得意分野で勝負すれば良いではありませんか。

プロユースにとって一番重要なのは、どんな所でも必ず写るという堅牢性であり、システム全体に対する信頼性です。それが二の次三の次なら、押せば綺麗に写ると評判のメーカーなり機種なりに行けばいい。私のようにね。

ソニーを実際に使ってみて驚いたのは、ニコンと同じようにカメラ任せで撮影してもモノクロまがいの絵を吐き出すようなことは絶対にしないという事でした。いま現にZ6使ってるひとは、私と同じことを思ってないですか?「どうしてスマホの吐き出す絵の方が綺麗なんだ?」ってね。

 

私は「Z9はキヤノンR3みたいな立ち位置のカメラで来る」と思っていました。
Z6に対する不満は色再現性がからっきしダメなこと、Z7Ⅱに関する不満は高感度耐性が劣ること。激高した私は、一気に問題解消するためにこうした訳だけれども↓

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乗り換えたソニーに関して言えば、究極のオールラウンダーはα1でもα7Ⅳでもなくて、α9だと思います。連射性能、高感度耐性、解像度を全て満たすことは無理で、現実問題としては何かひとつを犠牲にしなくちゃいけない。
ユーザーの私がはっきり言いますが、α1も日が暮れたら使い物にならないですよ。驚いたのは高感度耐性のなさよりも連射速度が極端に落ちることです。つまり、α1はこの意味においてD6の足元にも及ばない。こう言ったら何だけど、管理人と取り巻き連中にとって都合のいい、上澄みの部分だけ持ち上げて勝手なことばかり言ってる「なんちゃってデジカメinfo」は絶対に言及しないでしょうけどね。

※あの手のサイトは読むだけ時間のムダです。機材は金にモノを言わせてさっさと買うに限ります。ダメだったら売っちまえと思ってα7SⅢ買ったらもう最高。あれは動画機じゃなくて究極の静止画機でした。センサースコアがどうのこうの言って、買えない理屈をひたすらこねくり回すひと、自分の使っているメーカーに関しては絶対に異論を認めないひと。あんたらはどっかのメーカーの廻し者かなんかですか・・

さて。この項の結論です。
フラグシップ機に関するスペックの落としどころは、画素数を24Mピクセルあたりに留めてでも連射性能と高感度耐性を確保することですね。その前提として堅牢性が確保されていることが何よりも重要で、どんなところでも一台で撮れることが大事だと私は確信します。

故に、Z9は報道用途として使えるのかと言われたら答えはノーだろうと思います。私は絶対にZ9は買わないから永久にユーザ評価はできませんが、ニコンはNPSのストラップを付けた「自称プロ」の連中に「Z9は日が落ちたら使い物になりません。お願いですからD6と二台持ちしてください」とでもいうつもりなんでしょうか。

だったら現にそこにあるD6を使うほうがいいだろうと心の底から思います。この点、R3を先に出してきたキヤノンはよく判ってるなとは思いますね。(私は買いません。あの会社は嫌いです。従って、こちらも未来永劫評価はできませんが)

最後にもう一言。冒頭記載の中古カメラ店は新品も取り扱いしているお店なのですが、この日いちばん驚いたのはD850の次回デリバリーが「2022年4月」ということでした。ニコンは一体何を考えているんでしょうか。半導体部品の逼迫が深刻で、この時点でD850の製造ライン自体を完全に止めてしまったということなのでしょうか。

今年もあと一週間ですが。今年中にデリバリー予定だったZ9、どうなったんですかな。買うのはいいですよ。Z9を買うのはいいんだけど軍資金を捻出するためにD6は売らないことです。はっきり言っておくけど、それをやらかした途端に私みたいにニコンを一式叩き売ることになると思います。絶対にね。

☆ ☆ ☆

と、ここまで書いた翌日のこと。

ニコンZ9がデリバリーされました。さしずめニコン使いの皆さんへのクリスマスプレゼントといったところでしょうか。おめでとうございます。

ところが初回分は即完売、ヨドバシカメラの次回デリバリーは2022年10月予定ってちょっとあんた。半導体市況が逼迫しているのは判ってるけど、こんな間抜けなチャンスロス、見たことねえって。はあ・・

次回デリバリーの頃にはα9Ⅲとガチでぶつかるんだろうけど、一年のアドバンテージをみすみす棒に振るとは呪われているんですかね・・来年はニコンニコン使いの皆様にとって良い一年であるといいですね。

みなさま良いお年を。

私がα7Ⅳを買わない理由

黙れ底辺プロ(笑)。

買わない理由でなく、買えない理由だろ。正直に言ってみろ。

俺?買わないよ。

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だからこれでいいんだろって話。

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それぞれ一長一短あるに決まってんだろ。

その上で言いたいんだけど、俺は究極のオールラウンダーはα9Ⅱだと思うよ。

α7Ⅳは連写が効かないからね。上の図表の矢印の色もSPEEDだけは誇大広告だと思う。10fpsだしさ。

R3とα9Ⅲのガチ対決が見たいね。α9Ⅲが現状の画素数のままで来るなら1台買うわ。

ソニーの「αカフェ」から退会した話

ソニーにはメーカー自身が運営する写真関係のコミュニティサイト、通称「αカフェ」というものがあります。私自身、ソニーのユーザーになってから結構当該サイトに写真を投稿していた訳です。無料で写真をアーカイブできるという考えもありましたし、相互フォロー下さった方が20人くらいいて、あーこの人写真上手だな、凄いなと思っていました。

だけどさっき激昂して、写真を全部抹消して退会しました。

ユーザーに写真投稿数を競わせること、こんなに簡単にいい写真が撮れますよと競争原理を煽ること。そのこと自体が不快だという想いがずっとありました。具体的にはαカフェのランク制度と投稿可能枚数制限制度なのですが、思い出しても吐き気が来ます。
(注:他ユーザーから多くの「ブラボー(いいね)」を獲得すればランクが上がるが、投稿した写真に支持が集まらず、同一ランク内に留まる限り投稿可能な写真枚数が制限されてしまう制度のこと。ブラボーの数を稼ぐ為にはひたすら誰かをフォローしてフォローバックに伴うブラボーのお零れを貰うか、投稿した写真にハッシュタグを付けまくって同好の誰かの目に写真を見て貰うことを期待するしかありません)

ランクが上がること自体を励みにしている人も多いだろうからその事自体は否定しないし、この制度を考えたヤツは自分自身の人事考課で酷い目にあっているんだろうと同情します。だがそれだけならまだしもソニーのヤツら、今しがたやるに事欠いてユーザーの作成した合成写真丸わかりの「絵画」をインスタに流してきやがったぜ・・。

ソニー製品を使うユーザーのクローズドソサエティに投稿された写真からオープンプラットフォームであるインスタに写真を展開したのだから、意図はソニー製品の「宣伝・拡販目的」であることは明らかですね。一方でその写真に纏わる全ての責任は写真を投稿したユーザーに引っ被せりゃいいんだからソニーサイドにリスクはありません。加えて、ソニーに発生するコストはゼロです。俺達は葱を背負って品川のソニー本社の周りを飛ぶ鴨か何かなのか? それともソニーは「αを使えばズブの素人にだってこんなにいい写真が簡単に撮れますよ」とでも言いたいんですか?

嘘をつくなよ、クソニー(笑)。

写真は手品じゃない。故にその作成プロセスを開示する必要は無い。だが、どんな手段を使ってもいいのならそれは最早、写真ですらない。子どもの絵日記だろ。
※ここまで書いて思うのは。αカフェってソニーヤラセじゃないのってこと。自民党とDappiみたいな関係性の悪質なヤラセとの相似形。つまりαカフェって、ユーザーの善意に基づく投稿を装った、ただの自社のプロモーションというのが本質だよね?

何を今更って?皆まで言うなって?
俺はそういう性格なんだから仕方ないだろうよ。

パソコン上で画像編集ソフトを使ってレイヤー合成すれば何でもできるのは、今どき小学生だって知ってるだろ。だけどソニー自身がそれを黙認した上で大威張りでユーザーの合成写真をSNS上で拡散するくらいなら、さっさと合成写真の作成手順をメニュー化して、あんたらの作るデジタルカメラに実装すればいいじゃねえかと思う。 ソニーデジタルカメラには多重露光機能はサポートされていない。だからこそそれを逆手に取って、複数枚撮影したショットから、あたかも一回で撮影したかのような合成写真を作成する輩が蔓延る訳だ。あれ、どうしたらこんな写真が撮れるんだと思わない方がおかしいだろう。 それを当の「メーカー自身が」「ユーザーの作成した合成写真を流用して」「拡販目的で」拡散するとかオツムは大丈夫なのか。一回のショットでは絶対にパンフォーカスにならない写真を、少なくとも二枚の写真から合成・再作成して「どうです」とばかりに誇示するとかアホじゃないのか。ユーザーが勝手にやる分にはいいんだよ。何の問題もない。撮影者本人にしてみりゃ種も仕掛けもある手品なんだから。 だけどソニー自身がその尻馬に乗ってどうすんだよ。 ソニー機を使って撮ってもまともには映りません。だからユーザーが勝手に合成してくださいと。それをメーカー自身が認めてどうすんだ。「ボクたちはこの程度のカメラしか提供できませんからキミたちは後処理で何とかしなさい」とでも言いたいのか? 大馬鹿野郎。あんたたちはモノを作る人間だろう。モノを作る人間が誇りを棄てるな。掲示している写真が合成なら合成だと最初に判るように書け。意識的に割愛するな。それを優良誤認というんだぜ。 誰にでも簡単に写真が撮れるなど幻想だ。その幻想を煽るなって話だよ。

判ったかクソニー(笑)。

ニコンZ6の吐き出した失敗画像を3手でサルベージする話

前の記事でうだうだと、42年間連れ添ったニコンを棄てた顛末を書きました。
一方で、家族写真をはじめ、過去に撮影した写真を棄てる理由はありません。この意味において今後もニコンとのつきあいは続くんだろうなとは思います。

 

さて。
私はデジタルカメラだけでニコンとは17年間付き合いましたが、ニコンの吐き出す絵は「予想の遥か斜め上を行くダメ画像」であることが本当に多かったです。
このことからも写真が上手な方と言うのは「撮影も、撮影の後処理も上手な人」なんだろうなと思います。メーカーサンプルの画像に騙されて、美辞麗句に煽られて(笑)、それでニコンデジタルカメラを買った方も多いことでしょう。私のようにね。

本当に罪深いと思いますよ。メーカーサイドがそのサンプル画像を生成するに至ったすべてのプロセスを見せてくれる訳が無いですもん。満開の桜を撮影しに行って、理想と現実のギャップに直面して「何これ・・」と思った人が多いんじゃないですか?

確かに写真は手品ではありませんね。従い、撮影者が画像ファイルの作成プロセスを明かす必要はありません。最終成果物である画像ファイルが洗練されたものであれば良いというのは"一面の真理"です。

ですがそれでも言いたいことは「シャッターを押したらこんな素晴らしい絵が撮れます」とメーカーサイドが喧伝するのは幻想だしミスリードであって、一種の有利誤認、つまりグレーゾーンすれすれの(犯罪)行為じゃないのかということなのです。

デジタルカメラを買った方があっけなく挫折してカメラを売り飛ばす最大の理由。それは結局、現像処理の敷居の高さにあるのではないかと思うんです。
ニコンは間違っても「ソフトウェアのこのボタンを一発押せばいいですよ」的な機能を実装することはしません(やれば出来るかどうかは別として)。話は些か脱線しますが、ニコンのカメラが売れなくなった理由はこのあたりにあると私は確信しています。

Zマウントで最高の光学性能を希求するのは一種の正義ですが、ニコンZシリーズが実際に吐き出す画像は「モノクロまがいのダメ画像」でしかないとなったら「ダメだこりゃ」と考えてしまうのは当然でしょ?撮影という行為が全てではなくそこから先の調製が必要なんだよ、という事の周知を放棄してしまっているのは誤りなんです。最新のデジタルカメラを買えば誰にでも綺麗に写真が撮れるというのは幻想で、撮影の後処理は個人の責任において実行する必要があります。しかもその結果をメーカーが担保することは決してありません。

現状では下手をするとスマホの吐き出す画像のほうがよっぽど綺麗だったりしますし、しかもアプリを買ってくれば簡単に盛れます。ニコンなりデジタルカメラを製造する会社なりがデジタルカメラをもっと売りたいのであれば、結局は後処理を軽く、簡単な方法「も」提供するしかないと思います。おそらく誰もやらないでしょうが。

 

さて。ここからが本題です。
「NX Studio」を使ってRAW現像する際には
・効果が高い項目のパラメータ設定から行う。
・現像の手数を減らす(設定項目は少なければ少ないほど良い)。
・必要なら後で他の項目を見直ししてブラッシュアップする。

ことをお勧めします。

70点主義とでも言うのかな。先のニコンZ6が吐き出したオリジナル画像は「何これ」というレベルでしたが、それでも「何とかサルベージできないか」「いちばん手っ取り早い方法を探れないか」と思いながら調製はしました。

みなさんも失敗画像だと諦めずに、サルベージの方法を探ってみてください。

 

①枚目
ニコンZ6が生成したRAWファイルをNX Studioで開いた状態。

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絵に描いたような失敗作例ですね。jpegならカメラ現地で捨ててるレベル・・。

 

②枚目
<1手目>ホワイトバランスを調整する。
色温度を5960Kから5400Kに修正
現像時において最も調整頻度の高い項目は色温度ですね。
先の記事で言及したとおりヒストグラムを見ると、RGBの各チャネルが見事に重なっていますのでこれを補正します。
確かに当日の現地は薄曇りでした。Z6としては正しい色温度設定のジャッジをしたつもりなのかも知れませんが、色温度の自動設定が全体の色調を壊している原因ですので、ここでは強制的に色温度5400Kに設定し直します。

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RGBの各チャネルは分離していますが、色彩感はまだ出現していません。

 

③枚目
<2手目>全体の調子を整える
■D-ライティングHSを+40に設定
シャドー部が潰れて全体の調子が硬いのでD-ライティングHSを使って暗部を持ち上げます。ハイライト基準で露出を与えると、どうしてもシャドー部にしわ寄せが行ってしまうのですがニコンの場合、シャドー部を持ち上げても粘りますので安心ですね。

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ヒストグラムに大きな変化はありませんが、色彩感は感じられるようになりました。

 

④枚目
<3手目>彩度を調整する
■カラーブースターを+65に設定
「明るさと色の調整」の中にある「色の濃さ(彩度)」や、LCHエディターの「彩度」を使って調整を掛けても良いのですが、カラーブースターを使うのが一番簡単です。
※彩度の調整方法は三種類が実装されている事になりますので、お好みで。

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ここから空の青味だけを除去したい場合はカラーブースターの上げ下げではダメなので、LCHエディターか、カラーコントロールポイントを使うことになります。

 

各パラメータの設定量は実際には一発では決まりませんから、何度か見直しを掛けて追い込んでいく必要はあります。でも・・このくらいの絵、最初から吐き出してくれないものかな。どうしてこれくらいのことが出来ないの?

 

その理由が本当に判らないのです。

 

フォトグラファーの中にはモノクロで写真を作品化する方も沢山いらっしゃいますね。モノクロの方が逆に色彩感を感じたりもします。ですが、モノクロで写真を世に問うに至った理由というのは実際のところ「調製しても色のくすみがどうしても除去できなかった」と言った類の理由がほとんどだと思うんですよね。