EIZO CS2410最強説

私は現在、EIZO CS2740を使ってRAW現像しています。
ご自分の使っているカメラなり、レンズなりをそれこそ「血管が切れるんじゃないか」というくらいの勢いで擁護する方は星の数ほどいらっしゃいます。ですが私の見る限り、自分の使っているモニターについて言及されている方はひとりもいません。
自称プロの方々がレタッチャーを雇える訳もなく、夜な夜なシコシコと現像処理しているのだろうとは思うのですが。まさかその辺で拾ってきたモニターで現像処理する訳でも、ましてカメラ内現像で済ませてしまう訳でもありますまい。

私はニコンのデジカメを使う過程で現像処理の腕前は相当鍛えられたと思っています。あの独特の色再現性を持つシステムから自分の好みの画像を作成するんですよ?(笑)

当然の帰結として、最終的にはハードウェアキャリブレーションの取れるモニターに帰着せざるを得ませんよね。それ以上の議論の余地はなく、私の場合はたまたまEIZOを選択しただけで他意は一切ありません。現在モニターに対する不満も一切ありません。

さて。運用について少し記載しますと解像度は3840×2160、表示スケールは推奨値の150%に設定しています。
ニコンNX StudioもソニーImaging Edgeもスケールの設定によってメニューバー/ツールバー/パレットの表示サイズが変わります。

賢いですね。最近のメーカー純正ソフトは本当に良くできていると思います。

問題は色域の設定ですが。sRGBで運用しています。理由は印刷を行う際のカラーマッチングと、自分のスマホで画像ファイルを見る際の色味の問題です。

はい、そこの勘のいい貴方。仰るとおりです。
だったら「ハードウェアキャリブレーションの取れるsRGBモニタで良くね?」ってことに成るのではありますまいか。

今から考えたら「やっちまった感」満載ですよ。
EIZOのメーカーサイト見たらちゃんとあるじゃないの orz 今使っているCS2740はキャリブレーションセンサー込みで20万しましたからね。

sRGBカバー率100%の24インチモニター&キャリブレーションセンサーのセット商品。お値段税込72,500円、今なら72,500円。♪ジャーパネットージャパネットー
通販番組の怪しいおっちゃんが愛人連れてテレビに出てくる夢を見そうですわ。

私はニコンとは手を切りました。手は切りましたが過去に撮影した画像ファイルとは手が切れる訳もなく、これからも適切に撮影済ファイルを加工することを考えないといけないです。ニコン機が超適当に吐き出した画像ファイルを加工するのには高性能モニターの使用が必須ですから、その意味ではおそらく、次回もCS2740クラスのモニターを買うんだろうなあとは思います。
CS2740は撮影のスタイルにさえ影響を与えてしまう高性能モニターで、D850なりα7RⅣなりで撮影した画像をモニター上で50%表示させたら息をのむ美しさでびっくりしました。更に100%表示で画像の細部を確認すると、レンズの解像や小絞りによる回析ボケの発生も立ちどころに暴きます。

私はCS2740を使うようになってから、シャッタースピード優先モードで絞りは適当、なんていうナメた撮影は一切やらなくなりました。シャッタースピード、絞り、ISOはトレードオフの関係にあって、ここでは何を優先するのか、それが作画にどのような影響を与えるのかということまで、現地で考えるようになりました。その意味において「いい写真を創りたければまずはモニターから」ということは強調しておきます。

とは言うもののですね・・CS2740は誰にでもおいそれと買える値段では無いことも一面の真理です。もし「それだけ言うのなら、これから私もモニター新調して現像頑張ってみようかな」と思う方がいらっしゃるのであれば、EIZOの直販製品であるCS2410・EX4センサーセットを検討することをお勧めします。特にモニターを2台構成で運用する場合、1台はCS2410にするという考え方でいいと思います。自分の場合AdobeRGBの運用は一切していないですし、キャリブレーションセンサーは共用可能な訳ですからね。

最初のカラーマネジメントモニターとしてはCS2410で充分ですし、しかもかなりのお値打ちです。営業政策上、ハードウェアキャリブレーションは高額機種にだけ与えられた特権にしてもおかしくない筈なのに、本体5万円そこそこのモニターでそれが出来るとは思っても見なかったです。

私はそこにEIZOの良心を感じました。素晴らしいと思います。