林檎電脳に手を出した話

大嫌いなんですよ。林檎電脳。
ヤツら一切リスクを取りませんからね。言葉巧みに近寄って知的所有権を奪うなど序の口で、納期だの品質だの数量だの難癖つけては法外な違約金をとるのがあいつらの本業、コア・コンピタンスですから。俺からしたら林檎電脳は「ナニワ金融道」のパンチパーマ当てた部長みたいな感じですわ。製造業の風上にもおけねえ。てか、ヤツら商社ですよ商社。

じゃあ何でそんなもんに手を出したんだって話ですけどね。「ソニーだけは許さん」って話です。ことスマホに関しては。

糊付けの液晶パネルが2年で剥がれて即壊れるソニースマホは超高額消耗品の類だと思います。私の金銭感覚では「何だか嫌だなあ」と思いつつも、前回まで3台連続でソニーを使っていた訳なんですが‥故障で機種変してもスマホの操作感が保持されていればまだ許せるものを、またぞろ「お馴染みのソニー仕草」に遭遇してぽっきり心が折れました。

スマホ事業が落ち目になるやPOBoxは止めるわ、Media Goは止めるわ買い換えてびっくりですよ。こいつら本当に気は確かなのかと思いました。ヤツら上ばっかり見て、矜持ってものを捨てたんでしょう。儲け出さなきゃ辞表持って来いゴラァとか言われてね。お気の毒さまです。

ニコンの写真機材を一式叩き売ってソニーに乗り換えた自分としては「こんな会社の写真機材を買っても大丈夫か?」と思ったりもします。ですがソニーにデジカメで操作感の変更だのソフトのサポート停止だのやられたら、また一式叩き売ってどこかに乗り換えすればいいだけの話です。画像処理ソフトのEditでさえ、あいつらはサラッと「もうやめます」とか言い出しかねないです。まあ、一度地獄を見た会社はそんなもんかとも思いますが、何だかんだ負の部分に光を当てると「クソニー」だなとは思います。

ここで余談ですが。私は就職先としてのパナソニックは一切推奨しません。社員をクビにして派遣社員として再入場させるクソ会社ですから学生の皆さんは気をつけましょうね。それでもパナソニックが凄いなと思うのは一度策定したUIを一切変更しないところです。HDDを搭載していないDVDレコーダーの時代から、ディーガの操作感は一切変えていません。変わったのは番組名変更処理におけるDelete操作がBackspaceに変わったくらいです。去年一台ブルーレイディスクレコーダーを買い増ししましたが、取説も読んでいません。メーカーに対する信頼っていうのはつまるところ、どれだけ操作感を変えないかで量ることが出来ると思います。

という訳で。
EIZOのモニターで現像をいくら頑張ろうとも、スマホアプリで見る画像データがおかしな色調で再現されると思いっきり萎える訳です。買って一年も使っていないソニーの安物スマホですが「やられちゃったなー」って事で、先週、機種変して棄てました。

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SHARPIGZOを取るか、林檎電話十三号機にするかで悩んだその挙句、清水の舞台から飛び降りる覚悟で林檎にしたんですが、嬉しい誤算は人生初の「イ式基本入出力システム」に思っていた程の違和感はなく一週間で慣れたことでした。ファイルの転送は全て「イ式音楽プレーヤー」を介在させるという思想には驚きましたが、これも慣れればどうということはありませんでした。
ただ、どういう訳なのかAndroidベースのアプリのほうが使い勝手はいい気がします。スマホではポインティングデバイスを使いませんから指先の微妙な操作が全てですが、感覚が合わないんです。それから、日本語入力システムは戻るキーのあるものに入替しました。どうしてオリジナルの日本語入力システムには戻るキーが無いんですかね?謎です。

お間抜けな話をひとつ。店頭で色はどうしましょうと言われたので選んで赤にしました。最近のマツダの塗装色のような綺麗な赤ですね。気に入ってはいるのですがスマホケースに入れると何色なんだかさっぱり判りません。何色を選ぼうとも関係なかったです。トホホホ。

☆ ☆ ☆

さて。大元の問題はPCとスマホの色味が合わない事でしたが、結論から先に言うと無事解決できました。良かったです。

まずPC側。EIZOのCS2740は本当に素晴らしいです。
パネルは「IPS液晶」と明確に表記されていますが、IPSは商標ですのでこれを名乗ることができるベンダーはジャパンディスプレイ(JDI)かLGのいずれかという事になります。IPSの開発企業は・・なんで私にはそれなりに思い入れがあり、ベンダーはJDIでもLGでもどっちでもOKです。ビバIPS液晶。ノングレア処理のパネルは本当に素晴らしく、これ以上の買い物はちょっと思いつきません。

一方の林檎電脳。パネルはSamsungかLG、中国のBOE有機ELパネルは一見派手ですね。それにしてもパネルのテカテカ感は何とかならんかと。不満はそこだけです。

CS2740はsRGB、120cd、D65で運用していますが、この環境で現像した画像ファイルを林檎電脳のスマホに転送した結果は概ね良好で、ほぼ色味は合っています(添付参照)。その意味で「PCのモニターとスマホを買い替えしてでも色味を合わせる」という荒唐無稽な計画は上手く行った訳ですから、買い物としてはまあまあだったと言えますね。
とは言うものの。3年も持たないスマホに12万も払うのは気が狂っているんじゃねえかという気はします。

一旦林檎電脳に足を突っ込んだが最後、元のAndroidには戻れないんでしょうね。この先、破格の高値で機種変更を繰り返さないといけないというのは鬱陶しいの一言です。
それでも、撮影した写真をSNS上に展開するのなら仕方ないですかね。PCモニターに関しては何の不満もありませんが、林檎印のスマホで画像を見て、色味が正しいのなら仕方ない、こちらもいい買い物だったという事にしておきます。